今日もいろいろと挨拶回りなどをしていました。
今年の梅雨は例年より雨が少なく、
それほどジメジメとしないでしのぎやすいような気がします。
夜は城陽の水度坂老人会の集まりにお伺いし、
長寿医療制度のお話をしてきました。
前半は城陽市福祉保健部国保医療課長の上杉さんから
後期高齢者医療制度について話があり、市町村の取り組みなど
現場の声を聞くことができ参考になりました。
私は国の取り組みとして、今までの老人保健制度の流れから
現在にいたるまでの経緯や現在の長寿医療制度についてお話しました。
かって、まだ健保や国民健康保険のご家族の病院での患者負担が
5割だった昭和30年代半ば、老人医療費の無料化する自治体が現れ、
その後、昭和48年から、国の施策として、70歳以上の方々の医療費が
無料化されました。これによって、高齢者は必要な医療が受けやすくなる
一方で、「病院の待合室がサロン化した」、「社会的入院が増えた」とも
言われるようになり、老人医療費は著しく増大しました。
少し豆知識ですが、日本の医療制度は
①主に大企業が設けている健康保険組合と
②中小業サラリーマンの政府管掌健康保険
③自営業者や無職の人が加入する国民健康保険の
制度が3つがあります。
今年の3月までの老人保健制度は75歳以上の高齢者を
各医療保険に加入させたままで、各制度間で医療費の
財政調整を行っていました。
例えば企業に勤める人は健保──組合健保とか
政府管掌(政管)健保に会社勤めと同時に入ることになります。
自営業の方あるいは農家の方は国民健康保険(国保)に
入ることになります。
そこで、企業勤めの方が会社を辞めると、健保も抜ける。
そして、国保へ移ってくることになります。
大体60歳前後から今は65歳定年が多いかもしれませんが、
会社を辞めるころになると、健保から国民健康保険(国保)に
どんどん人が移ってくることになります。
例えば、65歳未満の方の医療費は大体平均すると
1人年間約14万円ぐらいで、その14万円を1として見ると、
65歳から75歳までの方の医療費は、65歳未満の方の大体
3.5培の約50万円、75歳以上の方の医療費だと、
65歳未満の方の医療費の5.5培の約77万円程
かかることになります。健保に入っていらっしゃる方は、
どちらかというと若くて、あまり医療費を使わない世代の方が多い。
そして、定年退職をして国保にその方々が移ってきますから、
国保の方は医療費がたくさんかかる方が多くなっています。
そこで、75歳以上で見てみると、1300万人のうち、
1100万人は国保に入っています。
昭和50年代に入って、高齢者の加入割合の高い国民健康保険の
財政は厳しくなり、昭和58年には、新たに「老人保健制度」ができ、
患者にも一定額の窓口負担をお願いし、健保組合等が医療費を
分担することになり、国民健康保険の運営も安定することになりました。
老人保健法ができた昭和58年頃から日本は長寿化が進み、
昭和58年当時、76.99歳だった平均寿命が、
平成18年では82.40歳になりました。
世界一の健康長寿国になったわけです。
一方、昭和58年は、健保組合のサラリーマン保険料のうち
老人医療費の分担分は13%でしたが、平成14年には44%程度に
上昇しました。そこで、平成11年には、多くの健保組合が拠出金の
不払い運動を起こり、「これは大変だ」ということで、
翌年に老人保健制度を改革する旨、国会決議があり、
とりあえず、
①老人医療の対象年齢を「70歳以上」から「75歳以上」に
段階的に引き上げ、
②老人医療費の国庫負担率を3割から5割に段階的に
引き上げました。そして、議論が開始してから10年にわたり、
どのような仕組みがよいか議論を重ね、今回「長寿医療制度」を
制定し、高齢者の医療を国民みんなで支える制度へと
移行することとなりました。
この制度のポイントは、75歳以上の保険給付に必要な財源に
ついて、1割を高齢者本人の保険料で、4割を現役世代の
各医療保険制度からの支援で残り5割を税で賄う
(国4:都道府県1:市町村1)という負担のルールが明確にされた
点にあります。これからは75歳になったら、今まで入っていた
医療制度から抜けていただいて、75歳以上の方々が現役世代と
別建ての制度とされました。
しかし、多くの皆様から厳しい批判があり、自民党内でも、
一旦この制度を廃止し新たな制度設計を考え直すべきではないか、
といった意見もあります。特に、
①「前期・後期」の名称など、配慮が欠けた面があったこと
②年金天引きは選択制にして、それぞれに判断できるように
すべきではなかったか
③低所得者の保険料負担が予想に反して増加している地域があったこと
④制度について説明が不十分であったこと
以上のような反省点に立って、長寿医療制度を利用しやすくするため、
今回6月12日に政府・与党では改善策をまとめ、
所得の低い方の保険料をさらに軽減することが決められました。
そのポイントは、
①基礎年金だけで暮らしておられる世帯の方については、
「一人当たりの定額の保険料」を更に軽くしました。
具体的には、一人当たりの定額の保険料の7割を軽減されている
方々のうち、ご自身及び75歳以上の配偶者の年金収入が両方と
も80万円以下である場合、一人当たりの定額の保険料の9割が
軽減されることになりました。
この結果、全国平均で見ると、月350円程度に下がります。
②所得に応じた保険料を負担する方のうち、
住民税非課税のような所得の低い方、具体的には、
年金収入が153万円から211万円までの方についても、
所得に応じた保険料の部分が、半分程度に軽減されることになりました。
これらの措置は、平成21年度から実施します。
③平成20年度においては、平成21年度までのつなぎとして、
1年間だけの軽減を行います。
④年金天引きについて、一定の条件はあるが、
申し出により口座振替が可能
⑤保険料を納めない人に、保険証の代わりに発行される
「資格証明書」は、悪質な未納者に限り、それ以外の方々には
保険証は交付される今、「この制度をやめてしまえ」、
そう声高におっしゃる方もいらっしゃいます。
特に野党は、廃止せよという法案を提出するだけで、
財源や代替案も示さず、福田総理問責決議案を参議院で
提出した後は、衆議院で与党が廃止法を議論しようと呼びかけても、
自らが提出した廃止法案の審議拒否を行うという、
信じられない行動をとりました。
現在9%の75歳以上の人口が、2025年には18%と倍増する中、
高齢者の8割が加入してきた国保の多くは既に深刻な赤字を抱え、
若手世代の負担も限界に近づいているのは変えようもない事実です。
代替案なしに、ただこの制度をやめてしまえば、
もう一度皆さんに国保に戻っていただくことになります。
国保の財政は依然として不安定なまま解消されません。
国保が不安定になるか、地方自治体の財政がますます苦しくなるか、
そういう状況は何も変わりません。
もちろんこの制度は、先ほども申しましたがいいことだけでは
ありません。手直しするところはたくさんあります。だけども、
手直しをしながらでもこの制度を維持していくことによって
日本の医療保険制度を守っていかなければなりません。
これからも皆さんの生のご意見を伺い、そういった声を、少しでも
今後の社会保障制度全体の見直しに反映させるべくこれからも
全力で取り組んでまいります。
水度老人会のみなさんと
