予算委員会分科会にて、太閤堤と重要文化的景観の質問
ここ数日の混乱で、予算委員会も順調にとはいきませんが、
今日は与党だけで分科会が開かれました。
分科会とは、各省庁ごとに別れて予算に関する質疑を行うのですが、
自民党では1年生にとって格好の質問の機会となります。
そこで私は、塩谷文科大臣、浮島政務官、そして文化庁次長に、
宇治の太閤堤の史跡指定にむけた今後のスケジュールや、
重要文化的景観に選定された経過、
それにより宇治市に期待される効果等について質問を行いました。
国もとても前向きな評価をいただいており、
宇治市=京都府=国がしっかりと連携を進め、一日も早い太閤堤の
史跡指定と、重要文化的景観の追加選定が実現してほしいと思います。
以下、今日の質疑を載せておきます。
【衆議院予算委員会第四分科会(文部科学省所管)】
『太閤堤の史跡指定について』
<問1> まず、昨年に引き続き、太閤堤についてお伺いさせて
いただきます。宇治市では、太閤堤の国史跡指定を目指し、
この場所を世界遺産でもある宇治平等院鳳凰堂、宇治上神社、
また太閤堤の真横に、奈良時代より残る宇治のわきいらつこ御墓、
そして宇治茶などとも連携した「宇治茶と歴史・文化の香るまち
づくり構想」を発表し、周辺地域を新たな観光集積地の目玉として、
歴史まちづくり法なども活用しながら一体的な区画整理事業に
向けた計画を策定中であります。
昨年3月には、「宇治茶手もみ製茶技術」が京都府指定無形民俗
文化財にも指定されるなど、この宇治とお茶は歴史的にも密接に
関係しています。
また昨年12月には、宇治市の市長選挙が行われ、「宇治市を
歴史と文化の香る、観光拠点としたい」と訴えられた現職市長が
見事な成績で4期目の当選を果たし、宇治市民の信任を受け、
いよいよ具体的な作業へと着手するための環境整備が整いました。
この16日に宇治市が発表した平成21年度一般会計当初予算案の
中では、「宇治川太閤堤跡保存活用計画策定」として400万円を
予算計上し、この6月には宇治市のまちづくり構想を発表すべく、
現在策定中だと伺っています。
このように、太閤堤の史跡指定に向けた取り組みが具体化される中、
現在は、この1月に宇治市教育委員会からの意見具申書が文部科学
大臣に提出され、国ではその中身について精査中と伺いました。
そこでまず文化庁にお聞きします。
今後、この史跡指定に向けた検討の中で、順調に進んだ場合の
今後のスケジュール、また史跡指定されると、宇治市がその土地を
公有化し、買い取ることになるわけですが、それに対して国では
どのような補助があるのかお聞かせください。
(⇒文化庁 高塩次長答弁)
ご指摘のとおり、宇治川太閤堤跡の史跡指定については、
宇治市教育委員会から既に意見具申がなされている。
文化庁としては、宇治川太閤堤跡については、我が国でも珍しい、
築造の年代と造営主体者がともに判明している堤防遺構であり、
しかも築造者が豊臣秀吉という歴史上極めて著名な人物が築いた
ことがわかるものであることから、歴史的な価値は高いものと
考えており、現在史跡指定に向けて手続きを進めることとしている。
具体的には、4月に行われる文化審議会において文部科学大臣
から諮問し、文化審議会で調査・審議の上、国指定史跡として
価値があると判断された場合、大臣に答申され、7月下旬頃には
官報告示によって指定されるといったスケジュールとなっている。
また、地方公共団体(宇治市)が史跡の公有化を行う際には、
国は、事業費の8割を補助しており、史跡の保存・整備に対しては、
国が5割を補助することとしている。
今後、宇治市の要望を十分に踏まえ、必要な支援を行ってまいりたい。
『重要文化的景観について』
<問2>では次に、重要文化的景観についてお伺いします。
昨年11月21日に、文化審議会において、宇治の文化的景観が、
「平等院の旧園路に沿って展開する居住形態や、平安時代から
重層的に発展した計画的街区と、安土桃山時代から現代にまで続く
茶文化や点在する茶園によって構成される、茶業に関する独特の
文化的景観である」として、重要文化的景観との答申がなされ、
先週12日に正式に告示されました。
宇治川上流一体が都市型景観としては全国で初めて、生きた文化財
として、重要文化的景観に選ばれたことで、観光客の誘致や、地域
活性化の観点からも、地域経済に大きな良い影響があるものと、
私も宇治市民の一人として、とても嬉しく地元の皆さんと共に、
大変喜んでおります。
そして、これまで文化庁の担当者の方が、何度も宇治へ足を運んで
いただき、そして地元関係者と様々な意見交換等を重ねていただいた
ことに、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。
平成16年の文化財保護法の改正前は、農林水産業に関連する
文化的景観の調査が行われ、改正以降はさらに都市の文化的景観に
ついても対象として、この都市の文化的景観だけで全国2032件もの
調査の結果、66件が文化的景観の重要地域に選択されたと
伺っています。 やはりこれからも、歴史と伝統が息づく都市の
文化的景観をさらに保護 する必要性があると思いますが、
浮島文部科学大臣政務官のお考えを お聞かせいただければと存じます。
(⇒浮島文部科学大臣政務官 答弁)
文部科学省では、地域における人々の生活や生業等を通じて
作り出されてきた景観を、重要文化的景観として選定し、
その保護を図ってきたところである。
これまで、重要文化的景観については、
農山漁村地域の景観を中心に保護が進められてきたが、
歴史的・伝統的な特色を示す都市や産業地域における
景観についても、文化財として保護を図っていくことが
重要であると考えている。
こうした観点から、文部科学省としては、
本年2月、「宇治の文化的景観」を、 都市における初めての
重要文化的景観として 選定したものである。
文部科学省としては、
今回の「宇治の文化的景観」の選定の様々な素晴らしい経験も
活かしつつ、今後とも、このような都市における文化的景観を守り、
後世に伝えていく取組をしっかりと進めてまいりたい。
<問3>聞くところによりますと、イタリア・トスカーナ州にある、
オルチャ渓谷が、世界遺産として農村景観が文化的景観に登録され、
高い評価を受けているそう です。この地域では、歴史的建造物と
モンタルチーノとういう世界的に有名な 地域銘柄ワインの生産や
ブランド力の強化を図っているそうで、これを今回の 宇治にも、
歴史的建造物と宇治茶というブランド強化に、そのまま置き換える
ことができます。
今回選定された中でも、特に白川地区では、「平等院の奥の院」と
呼ばれる平安時代の白川金色院跡が確認されました。
そして宇治市まちづくり条例に基づき、市の中では第1号の
26人で構成される 白川まちづくり協議会が認定され、住環境に
配慮した地区計画づくりを進めて います。また認定第1号を記念し、
昨年11月には協議会と京都府、宇治市が 協力して、
「白川金色院・平安ロマンの夕べ」という、のべ5000人もの方に
訪れていただいたイベントを開催し、歴史遺産や白川ブランドの
お茶を活用した まちづくり、重要文化的景観の追加選定を目指した、
地域ぐるみでの積極的な 活動を行っておられます。
大きな視点で見れば、トスカーナのモンタルチーノという
ワインブランド=宇治の 白川ブランド茶と重なる部分も
あるのではないかと思っています。 そこでまず、
宇治の文化的景観が重要文化的景観第一号に選定された
その価値、そして宇治市の平成21年度予算案の中では、
「文化的景観保護 推進事業」として300万円を予算計上
しているのですが、具体的に宇治市 として今後どのような
取り組みが可能になるのか、また、それに対して国では
どのような支援をお考えかお聞かせください。
(⇒文化庁 高塩次長答弁)
「宇治の文化的景観」は、宇治川に代表される自然景観を基礎としながら、
歴史の中で重層的に発展した宇治地区の市街地とその周辺に点在する
茶園によって構成される茶業に関する独特の文化的景観として、非常に
高い価値を有することが評価され、本年2月12日、都市の文化的景観と
しては初めて、重要文化的景観として選定されたものである。
宇治市においては、今回の重要文化的景観としての選定を契機として、
今後、文化を活かした観光の促進や宇治茶のブランド力強化に向けた
取組等を検討しているものと聞いており、文化庁としても、このような取組が、
文化的景観の保護の充実や地域の活性化につながることを期待している。
文化庁では、重要文化的景観について、調査及び計画策定等の事業、
重要文化的景観の保存のために特に必要と認められる物件の修理、
修景又は復旧等、いわゆる整備について都道府県又は市町村が行う
事業に対して、1/2の国庫補助を行っている。宇治市に対しては、
選定以前の平成19年度は調査、20年度に計画策定に係る経費に対して
1/2の補助を行ってきているところであり、21年度についても300万の
事業を予定していると聞いているが、追加調査・計画策定・案内板の
設置等に対する1/2の補助を予定している。今後とも、宇治市の要望も
踏まえつつ、文化的景観の保護に向けて必要な支援を行ってまいりたい。
<問4>
では、この宇治の重要文化的景観についてはもう一問お伺いします。
今回第一次として告示されたのは、宇治橋の上流部分である
宇治地区でした。冒頭に質問しました太閤堤は宇治橋の下流部分に
位置することから、宇治市では今後太閤堤も含めた地域まで
重要文化的景観に含まれるよう、追加選定に向けた申し出を検討
しています。第二次で茶畑が点在する白川地区、第三次では
宇治川に沿って、上・下流部分の宇治地区の拡大、
そして第四次で黄檗山萬福寺を中心とした黄檗地区がそれぞれ
追加指定としていただくよう、地域住民等との話し合いも含め
準備を進めているということは、文化庁もご存じだと思います。
そこで文化庁にお伺いします。
宇治市と地域住民や地権者との合意が得られた上で、
それぞれの地区による追加の申し出が行われた場合の、
重要文化的景観の追加選定への見通しについて、
現段階でのお考えをお聞かせいただければと思います。
(⇒文化庁 高塩次長答弁)
文化庁でも、宇治市において、選定された「宇治地区」を中心と
する今回の選定範囲の拡大に留まらず、茶畑が広がる南の
白川地区や、北の黄檗山万福寺を中心とした地区にも
選定範囲を広げ、文化的景観としての価値をさらに高めて
いくために調査を進めていることを伺っている。
文化庁としては、これらの地域についても文化的景観として
評価しうる可能性が高いものと考えており、今後、宇治市からの
追加選定の申出に基づき、適切に対応してまいりたい。
【最後に】
<問5>では最後に大臣にお伺いします。
やはり教育の充実や科学技術の振興のみならず、
このような歴史的な文化財の保存と活用についても、
各地域としっかり連携を深めた上で、国の積極的な支援策が
必要不可欠で、それが後世に伝える大きな手段のひとつとだと
思います。
大臣にはこれまで、私の質疑をお聞きいただいてきましたが、
その感想も含め、文化財の保存や活用、そして後世に向けた
伝承についての大臣のお考えをお聞かせください。
(⇒塩谷文部科学大臣 答弁)
文化が歴史の一つの証しとして積み重なっていくと豊かさに
つながっていく。我が国は戦後、経済的には発展したが、
果たして豊かさを感じているかというと甚だ疑問である。
ある面ではようやく文化に目が向いたところであり、
かけがえのない文化財をしっかり継承して文化を発展させていく必要がある。
源氏物語の千年紀の式典で京都に行き、京都の良さを感じたところである。
国民がこぞって文化を大事にする意識を持ち、今後の我が国の発展に
向けて、文部科学省としても努力してまいりたい。
ボードを使っての質問

浮島政務官 答弁

塩谷大臣 答弁


